みえかた

萩野光宣さん

新潟県黒埼町(現新潟市)生まれ。国立富山商船高専から福島県立会津短期大学デザイン科でデザインを学ぶ。1991年26歳でフリーランス。1999年、有限会社エフディー(FD Inc.)設立。新潟県燕三条を中心に、優れた金属加工技術・日本の道具のあり方を世界へ伝え続け、モノづくり現場とのコミュニケーションに重点を置きデザイン活動を行っている。Wallpaper Design Awards、iF DESIGN AWARD、グッドデザイン賞他受賞暦多数。

田中さんとはtwitterを通じて知り合った。今風の関係だ。
正確には覚えていないけど、その後ツバメコーヒーにお邪魔してリアルな交流が始まった。僕は元々「西蒲原郡」出身なので同じ郡だった吉田や燕にはこだわりを持っているので、ツバメコーヒーというネーミングには当初引っかかりを感じていた。
初めて訪れたツバメコーヒーは未だ椅子席の無い持ち帰りのコーヒースタンドだった。その頃コーヒーの道具に興味を持っていて、またコーヒーポットをデザインしていたこともあって使っている道具に興味があった。ツバメコーヒーに出会うまで僕が参考にしていたお店はいわゆるサードウエーブのお店ではなく(その時点で僕にはその認識すらなかった)色々勉強させてもらった。
最初に驚いたのはツバメコーヒーの紙コップ。オリジナルの紙コップだった。(我ながら変なところに驚くものだが)1店舗しか無いそれも店主1人でドリップしているお店でオリジナルの紙コップを作るなんて世間知らずの坊ちゃん以外の何者でもない。聞けば軒先を借りている(様に見えた)美容室のオーナーだという。僕の周りに美容室のオーナーでろくな人物がいなかったこともあり益々「道楽で始めたカフェなのだろう」と思った。けれど、田中さんの印象がすごく良かったので色々話すようになった。覚えているのは、ジャパンポーレックスのコーヒーミルをパッケージのまま展示していたので(パッケージがダサかった)裸で展示したほうが絶対良いとか色々意見してあげた。田中さんはお店なんかやったこともない僕の意見を真摯に聞いてくれた。言っておいてなんだがお店やるって(僕のようなお客も断れないから)大変だなぁと学ばせてもらっていた。
田中さんは大学生のとき美容室のオーナーであったお母さんの余命を告げられ美容師の資格を取り、ほぼ同時に美容室をまかされる事になったそうだ。それから約10年に渡り美容室を経営してきたという。並大抵なことではない。改めてツバメコーヒーの紙コップを考えるとあながち間違いとも思えなくなって以降、指導する側から指導される側に移った。
ツバメコーヒーでは貴重な体験と出会いに恵まれる。ベルツのビスコッティという洒落た食べ物も、加瀬牧場のガンジーソフトもツバメコーヒーで知りました。実際に作っている方とも知り合いになった。遠くは鎌倉のディモンシュというカフェの堀内さんに会いにいったのも田中さんが教えてくれたから。すべてコーヒーの道具を考える上で非常に役に立っている。
ツバメコーヒーは僕のFD STYEのショールームを兼ねている。(勝手に)商品を扱ってもらっているだけでなく、プロのカフェで僕のデザインしたドリップポットを使ってくれている数少ない店だ。
カフェやバーのような空気を売る職業はデザインするのに似ている。ものごとの表層に目を奪われがちだがそこは本質ではない。僕はツバメコーヒーのコーヒー(ツバメブレンド)が好きだ。「マイルドな中深入り」と田中さんが表現するツバメブレンド。マイルドという表現に共感はしないが、酸味を抑えてコーヒーの味がしっかりする。加えて香りも良い。偶然できたか、やみくもに素材が良いのだろう。アイスコーヒーであっても作り置きせず1杯ずつドリップする姿勢も良い。繁忙期に待たされるお客に取って良いかはわからないが何時まで続くのか楽しみにしている。絶対的な正解なんてないから変わることは否定しない。この先何年も続くであろうツバメコーヒーは、一直線に飛ぶのではなく時にはひらりと宙返りするときもあるだろう。なるほど〜と思いながら眺めて居たい。成否以外の価値観で満足度を高め、商売繁盛のシンボルとして永く続いて欲しい店である。

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ツバメコーヒー
〒959-0264新潟県燕市吉田2760-1
TEL.0256-77-8781

[営業時間] 11:00-18:00
[定休日] 月曜・火曜

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