できごと

【dancyu web】短期集中連載『「ツバメコーヒー」のメタモルフォーゼ。』全5回終了

2018/12/20

【dancyu web】短期集中連載第5回(最終回)が更新されました!!

メタモルフォーゼ(という変身を意味するドイツ語)が題された短期集中連載は、レゾンデートル(という存在理由を意味するフランス語)で終わることになった。
変身の軌跡は全5回の連載で見ていただけたと思うが、自分の存在理由をかすかに掴みかけたものの、お店の存在理由はまだまだこれからつくっていかねばならない。
木村衣有子さんによって書かれた『「ツバメコーヒー」のメタモルフォーゼ。』はぼくが話すぼく以上にぼくらしいものになっている。
つまりぼくの内実の純度が高められた蒸留酒のようになってここに立ち現れたように見える。
そして今後ぼくにまつわる説明は、ツバメコーヒーをはじめたきっかけから、2018年に至る軌跡については、この連載が詳しいとご案内するほうが親切である気もしている。
まずはそういうものをお書きいただいたことを、そして【web dancyu】の立ち上がりにおいて掲載を許可していただいた江部編集長に心から感謝したい。

以下に総括的なぼくなりの(蛇足だがやや抽象的な)まとめをしてみようと思う。
病気(ネガティブ)の症状と一般的に言われる才能や能力(ポジティブ)の両義性(同一性)について。
必死に今だけを生きると過去の意味合いが変化し、見えなかった未来が見えうるという実感について。
などなどです。
稚拙でわかりにくい長文ですのでもしよろしければ読みすすめていただければうれしいです〜〜

***

症状は能力(才能)の種としてある。
共通なのは特異性であり、あとは社会や会社で必要とされる文脈をいかに背後に差し込むか、という問題になる。
つまり短所とは今ある文脈においてそう見えているだけであり、文脈の差し替えによっては長所になりうる、ということだ。

時計の例として以下のように説明することもある。
たとえば午後3時から午後11時に移動するとしたら、8時間分進むことを意味することが当然とされるが、それは時計は右回りであるという前提による。

文脈の差し替えとは、時計は左にも進みうるという現在の常識的な思考を棚上げして、4時間分の(逆)移動が最短距離である、という発想していくことを意味する。
さらに言えば、二元論としての短所と長所が対極であり、もっとも遠いものだ、という発想ではなく、対極として近いものであるという発想を前提にして、物事は円環的(対極なもの同士は対極としての同一性を持ち、つながっている)に存在する、と考える。

ネガティブとポジティブは月の裏表であり(太陽が照らしている方を表と捉えるわけだが)ひとつの同じ物体と考えたほうがしっくりくる。
問題は、ではどちらを照らすのか、ということが冒頭から言っている文脈の差し替えということになる。

今回の全5回に渡る連載は、ぼくというまったく無価値だった人間が、ツバメコーヒーという文脈を差し込むことで、わずかながらに(お客さんが知ってくれて興味を持ってくれて来てくれて買ってくれる)価値を持ちはじめた、というメタモルフォーゼ(変身)の物語としてある。

お客さんが来てくれるという(承認と思われる)できごとが積み重なることで、ちっぽけだけれども自分で自分を肯定できる気持ちで(他人からどう思われるかという対外評価を抜きにして)できた島をつくることができて、そこになんとか立つことができている気がしている。
そういう意味で、ぼくは他者からどう見られたっていいじゃない!と簡単に言うことはできない。
(そればっかりを気にしていた自分がいた過去をなかったことにすることはできない)
なぜならこれは意識だけの問題ではなく、立つことができる最低限の島をつくるための承認を(自力で)得ることでしかつくれないものだと思うからだ。
メタモルフォーゼとはまさに、(必死に生きる)今が過去に繰り込まれていきつつ、堆積したミルフィーユのような過去という地層が違う様相を帯びていくことであり、過去(の意味合い)がグラデーションとして変わっていくこと、と言うことができる。

ぼくは運よく苦悩や逆境にだけ吹いている風を見つけることができて、捉えることができた。
だからといって、みなさんに苦労は買ってでもしたほうがいい、というつもりはまったくない。
(そしてさっきの話で言えば、かつて苦労だと思ったことが気づいたら必要だったことに変わっているから不思議だ)
思考しすぎる人間が思考停止してしまう状況の到来によって、今までであればできなかった行動を起こすことができたというのは、ぼくの場合にすぎず、汎用性の高い方法論ではないのだ。
むろんあなたとぼくは違う。
だとしても、その違いをぼんやりと思いながら、その違いの分だけやり方をずらしてみたら、少しは何かの参考になるかもしれない。
いや、参考になる必要すらないのかもしれない。
役に立つとか得をするという事から遠く離れてきたからこそ、今があることだけは間違いなく言えることだろうから。

写真:当山礼子

 | 

ツバメコーヒー
〒959-0264新潟県燕市吉田2760-1
TEL.0256-77-8781

[営業時間] 11:00-18:00
[定休日] 月曜・火曜

現在地からルート検索

メール問合せ