できごと

『さよなら未来 エディターズ・クロニクル 2010-2017』発売記念トークイベント ー「仕入れ・陳列・物流から編集を考える」   若林恵(聞き手:木村衣有子・ツバメコーヒー店主)

2018/08/12

8月26日(日)の昼下がり、元WIRED編集長の若林恵さんと文筆家の木村衣有子さんをお迎えして、刊行以来話題の『さよなら未来』にまつわるトークイベントを開催いたします。

「仕入れ・陳列・物流から編集を考える」

若林恵(聞き手:木村衣有子・ツバメコーヒー店主)
日程:8月26日(日14:00〜16:00(開場13:30)
会場:ツバメコーヒー(新潟県燕市吉田2760-1)
料金:2,000円(コーヒー付)
定員:30名
申込:タイトルを「さよなら未来ツアー」にてtsubamecoffee@gmail.comまで、お名前と連絡先を添えて
*
ビジュアルデザイン:高橋トオル(ツムジグラフィカ)
 

テーマを「仕入れ・陳列・物流から編集を考える」とした理由を少しだけ説明しておきたいと思う。

仕入れがなければ、制作も、納品も、陳列もできない。

仕入れとは何か?

「近頃よく思うのは、書くという行為は、読むという行為と常にせっとになっていて、文章の上手な人というのは、おそらく自分の書いた文章をよりよく読める人なのだろうということだ」(『さよなら未来』(ことばは社会そのもの)258頁)

書くという制作は、読むという仕入れからはじまる。

「どんなゴミでも『マーケットのニーズ』が即していれば社会善となる。とんだ錬金術があったものだ」(同書「ニーズに死を」398頁)

「『売る』戦略から『つくる』戦略を立案するという道筋が、もはや限界にあるということなので、いい加減考え方の手順を変える必要があるんです。」(同書「仕入れのこと」471頁)

「自分になんの感動の体験もない人間が、もっともらしく「ユーザー・エクスペリエンス」を語り、数字しかあてにできない人間がしたり顔で「顧客満足」を論ずる。…そんな連中がつくったものにいったい誰が感動なんかするもんか。
人を動かす新しい体験をつくろうとするとき、人は『動かされた自分』の体験を基準としてしか、それをつくることはできない。未来を切り開くことと『自分が心動かされたなにか』を継承し伝えることは同義だろう、とぼくは思っている」(同書「アー・ユー・エクスペリエンスト?」93頁)

テクノロジーがあらゆるデータを収集しぼくらに与えようとも、「剥き出しの自分を恐れずにさらけだす勇気」(同書「Fast Forward」88頁)と「リスクを冒す勇気を守り、育てるエコシステム」(同書「Fast Forward」91頁)が必要であることは間違いないことだと思う。

そんなふうに『さよなら未来』とは合理性(のみ)が突き詰められていく未来にさよならする必要があり、単純な利便性への欲望という(ある種の)動物性から離れることで、次なる人間(人間2.0?)になることを後押しする本である。

そして、テクノロジーは未来をつくらない。ぼくらが思い描く未来に近づけていくための後押しをするに過ぎない。

じゃ、ぼくらはどうしたい?
それが今まさに問われている。

若林恵|ワカバヤシ・ケイ
1971年生まれ。編集者。ロンドン、ニューヨークで幼少期を過ごす。早稲田大学第一文学部フランス文学科卒業後、平凡社入社、『月刊太陽』編集部所属。2000年にフリー編集者として独立。以後,雑誌,書籍、展覧会の図録などの編集を多数手がける。音楽ジャーナリストとしても活動。2012年に『WIRED』日本版編集長就任、2017年退任。2018年、黒鳥社(blkswn publishers)設立。著書『さよなら未来』(岩波書店・2018年4月刊行)。

木村衣有子(きむら・ゆうこ)
文筆家。
主な守備範囲は食文化と書評です。
1975年生まれ、栃木県出身。
主な著書に『キムラ食堂のメニュー』(中公文庫)、『はじまりのコップ 左藤吹きガラス工房奮闘記』(亜紀書房)、『コーヒーゼリーの時間』『コッペパンの本』(産業編集センター)などがある。お酒ミニコミ『のんべえ春秋』発行人。

6月10日(日)付の産経新聞書評欄に掲載された『さよなら未来』書評

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ツバメコーヒー
〒959-0264新潟県燕市吉田2760-1
TEL.0256-77-8781

[営業時間] 11:00-18:00
[定休日] 月曜・火曜

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